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産後の尿漏れ問題

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産後の尿漏れ問題

産後の尿漏れ問題

2024/07/01

産後ママへの「あるある」としてよく言われる「産後の尿漏れ」。知識として知っている人も、実際に経験している人も多いかと思います。
「なるよねー」「仕方ないよねー」「時間がたつと治るでしょ?」なんて話によくなりますが、産後何年たっても改善しない人も実はけっこういるんです。しかもそれは「産後に積極的にトレーニングしていたことで悪化した」なんてことも。

今回は産後の尿漏れ問題についてまとめてみました。

目次

    成人女性の4人に1人が経験・・・よりももっと多い?!

    ちょっとした動作で「腹圧がかかた時」にうっかり漏れてしまう腹圧性尿失禁。
    くしゃみ・咳・笑った時・重いものを持った時・走った時・しゃがんだ時・階段の上り下りなど
    実は日常生活の中で「腹圧がかかる」ということは多いんです。


    骨盤底筋群が正常であれば、腹圧がかかっても尿道を閉じておけるのですが
    弱化していると尿道もしっかりと締めておくことができず、腹圧がかかると尿道が開いて漏れてしまいます。

    骨盤底筋が弱化・機能不全の状態になってしまう原因はいろいろありますがやはり多いのは「妊娠」「出産」そして「加齢」といったタイミングですね。
    特に女性は男性と比べて尿道が短い事や、骨盤底の表面積が広いなどの違いもあり漏れやすい。
    データ上では「成人女性の4人に1人が経験」という調べがでていますが
    産後のママさんに限って言えば、深刻な人から「やばいかも?」という人を含めると
    恐らく2人に1人は経験していることではないかと思います。


    ということは、ヨガのレッスンに来ている生徒さんも口に出していないだけで
    半分以上の方が尿漏れに悩んでいる・経験しているかもしれません。

    産後、尿漏れをしやすい人の傾向とは?

    では実際、どんなママさんが実は尿漏れで悩んでいるでしょうか?

    レッスンの際に「尿漏れしたことある人手上げて~」と声をかけて手を上げてくれる人・・・はなかなかいないですよね。本来であればレッスン前に個別カウンセリングができればいいのですが、大人数ともなるとそれも難しいかもしれません。

    例えば「なりやすい傾向(リスクファクター)」を見極めるとしたら
    ・妊娠期に大幅に体重が増加した、双子だった

    ・出産した赤ちゃんが大きかった(3,500g以上ベビー)

    ・難産だった(分娩台に上がってから生まれるまで5時間以上かかった)

    ・鉗子分娩・吸引分娩だったなど、骨盤底への負担が大きかった

    ・出産回数が多い(1回の経腟分娩でリスクは2.2倍になります)

    といったことが挙げられます。
    これは妊娠期~出産にかけての負担の大きさから、骨盤底筋群の機能不全(腹圧がかかると尿道がうまく締められない)となっている可能性が高いからです。

    もちろん上記の理由が必ずしも尿漏れを引き起こすというものではありませんが、程度に差はあれど一時的から長期的に尿漏れをする可能性が高くなり、日常生活やヨガ(運動)中にうっかり・・・といったことが起きてしまいます。
     

    どんなポーズも腹圧はかかる

    日常生活でも腹圧がかかることが多いのですから、トレーニング(ヨガ)中に腹圧がかからないなんてことはまずありません。
    一生懸命ヨガをしようと思えば思うほど腹圧がかかって漏れてしまう・・・なんてこともありますし、かえって悪化させてしまうこともあります。

    特に気をつけて欲しいのが、
    ・思わず息を止めてしまうような長いキープ
    ・極度に腹筋(腹直筋)に力がはいるような動き

    です。

    骨盤底筋というのはそれだけで作用させるものではなく、「多裂筋・横隔膜・腹横筋」といった他のインナーマッスルと連動して動きます。
    ですから、例えば息を止めてしまう(息を吸った状態で止める・クンバクをする)と
    横隔膜が下がった状態になるので骨盤底も同じように押し下げられてしまいます。
    また腹直筋についても産後に腹直筋離開が治癒していない状態で有効的につかうことは難しく、力がはいると腹圧が下にかかってしまい骨盤底筋を押し下げてしまいます。

    それ踏まえ、よくある「舟のポーズ(ナーヴァーサナ)」や「クランチ」をする場合は特に気を付けてください。
    どちらも産後のケアにはふさわしいとされるものですが、「息を止めない」「腹筋を固めて使わない」「骨盤底筋を引き込む」ことをしっかりと意識しなければ産後の尿漏れをますます悪化させてしまうことになるので十分注意してください。

    骨盤底筋 + 連動するインナーマッスルに意識を

    骨盤底筋のケアに大切なのは、前述の通り「他の連動するインナーマッスルと共に使う」ということです。

    尿漏れ対策として行われる「ケーゲル体操」というものがあります。

    おしっこを我慢するように、尿道に力をいれる⇒緩めるを繰り返すことで尿道のゆるみを治すというもの。
    同じ要領で肛門や膣も締める&緩めるを繰り返すことで鍛える「骨盤底筋エクササイズ」は産後ヨガのクラスでもよく指導します。

    ただこのエクササイズだけでは「尿意を我慢することはできるけど、治った感じがしない」というのが正直なところ。
    というのも、骨盤底筋だけ鍛えても他の連動する筋肉が動かなければ高い効果が望めないからです。
    特に普段の呼吸が浅い人や姿勢が悪い人。そうまさに産後の体、育児中のママには難しいのです。
    また骨盤底筋を動かすエクササイズの指導は、デリケートな場所であるということや大きな動きを伴わないので
    やる側(生徒さん)も、指導する側も「・・・できてるのかな?」と確認がしづらいという点もあるかもしれません。

     

    そう思うとなおさらオススメしたいのが、「多裂筋・横隔膜・腹横筋」へのアプローチ。
    35yogaのクラスでは主に「セツバンダアサナ・三日月のポーズ・Cat&Cow」などをよく指導します。
    どのポーズの場合もできるだけきつくなりすぎないように、深い呼吸と共に行うのがポイントです。

    特にセツバンダアサナ(写真のポーズ)は骨盤高位となるため、下垂していた子宮が正しい位置に戻る感覚がつかみやすいのでおすすめです。
    骨盤を上げるのが辛いようであれば、下にヨガブロックや丸めたヨガマットを敷いてその上にお尻を置いて。
    できればこのポーズだけで5分以上は時間をかけて欲しいです。
    またアウターが緊張した状態だとインナーマッスルは作用しませんから出来る限りゆったりとした雰囲気の中でやることも大事。「目を閉じる」「明かりを暗くする」「深い呼吸をする」ことも意識してみてください。

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